なぜPIPが失敗するのか 原因は“顔に出る本音”でした―「辞めさせたい」が伝わった瞬間、すべてがリスクに変わる

杉山 晃浩

「どうやって辞めてもらおうか…」

経営者や人事責任者であれば、一度はこう考えたことがあるのではないでしょうか。

能力不足、ミスの多発、周囲への悪影響。
現場を預かる立場として、悩むのは当然です。

しかし――

👉 その“本音”、実は必ず相手に伝わっています。

そしてその瞬間から、会社側の対応は大きなリスクを抱えることになります。

本記事では、PIP(改善指導)がなぜ失敗するのかを
「顔に出る本音」という観点から整理し、

👉 トラブルにならないための考え方と実務の出発点

を解説します。


「辞めさせたい」はなぜバレるのか

人は、自分の意図を完全に隠すことはできません。

どれだけ言葉を選んでも、

・表情
・声のトーン
・間の取り方
・質問の仕方

こうした細かな部分に、必ず本音がにじみ出ます。

例えば、

・結論を急ぐ
・否定的な言葉が増える
・話を聞いているようで聞いていない

こうした態度は、

👉 「この人は自分を辞めさせたいのではないか」

という不信感を生みます。

そしてこの時点で、

👉 PIPはほぼ失敗しています。


顔に出た瞬間に起きる3つのリスク

では、「本音が伝わる」と何が起きるのでしょうか。

実務上、次の3つのリスクが一気に高まります。


リスク① 指導がパワハラと認定される

本来は業務指導のつもりでも、

👉 相手が「攻撃された」と感じれば
👉 それはパワハラとして扱われる可能性があります

特に、

・繰り返しの指摘
・強い口調
・人格に触れる表現

これらは一気にリスクが高まります。


リスク② 退職勧奨が「強要」と判断される

「少し環境を変えた方がいいかもしれない」
「他の道も考えてみてはどうか」

このような言葉も、

👉 “辞めさせたい意図”が前提にあると

退職強要と判断されることがあります。


リスク③ すべてが証拠として残る

今の時代、

・録音
・メモ
・SNS
・弁護士相談

は当たり前です。

会社側の「顔(意図)」は、

👉 客観的な証拠として切り取られます


なぜPIPは崩壊するのか

ここで改めてPIPの本質を考えてみます。

PIPは、

👉 社員を改善するための仕組み

です。

しかし現実には、

・本音:辞めさせたい
・建前:改善させたい

という状態でスタートするケースが多いです。

このズレがあると、

👉
・目標が曖昧になる
・面談が形だけになる
・信頼関係が崩れる

結果として、

👉 PIPは機能しません


発想を変えた瞬間に結果が変わる

では、どうすればよいのでしょうか。

答えはシンプルです。


👉
「どうやって辞めさせるか」
ではなく
「どうやって仕事をしてもらうか」


この発想に本気で切り替えることです。


例えば、

・何ができていないのか
・どの業務ならできるのか
・どう指導すれば改善するのか

このように考えると、

👉 行動が変わります


そしてこの変化は、

👉 必ず相手にも伝わります


実務としての正しいスタート地点

PIPを機能させるためには、

最初のスタート地点が重要です。


① 改善前提で考える

まずは、

👉 「改善できる可能性」に向き合う


② 教育前提で関わる

👉 指導ではなく「育成」の視点を持つ


③ 記録前提で進める

👉 すべてを言語化・記録する


この3つが揃って初めて、

👉 PIPは意味を持ちます


結果として起きる“意外な現実”

ここで興味深い現象があります。

会社側が本気で

👉 「仕事をしてもらう」
👉 「改善の機会を与える」

という姿勢で関わると、


・本人が改善する
・自ら退職を選択する
・トラブルにならない


という結果になることが多いのです。

なぜか。

それは、

👉 本人が冷静に現実を認識できるからです


・ここでは通用しない
・自分に合っていない

この気づきが、

👉 納得感のある判断

につながります。


それでも改善しない場合の進め方

もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。


・改善しない
・業務が合わない

こうした場合は、


・配置転換
・役割変更
・退職勧奨


といった次のステップに進みます。

ここで重要なのは、

👉 プロセスを踏んでいるかどうか

です。


・改善の機会を与えた
・指導を尽くした
・記録が残っている


この状態であれば、

👉 判断の正当性が担保されます


だからこそ専門家が必要になる

ここまで読んでいただくと分かる通り、

PIPは単なる制度ではありません。


・設計
・面談
・判断
・リスク管理


すべてが絡み合う、

👉 高度な実務領域です


オフィススギヤマでは、

・PIPの設計
・面談の進め方
・判断基準の整理

まで、

👉 個別コンサルティングとして支援しています


なお、これは顧問業務の範囲ではなく、

👉 一社ごとに最適設計が必要な領域

のため、別途対応となります。


まとめ|PIPは技術ではなく「姿勢」で決まる

最後にお伝えしたいことは一つです。


👉
PIPはテクニックではありません


・どんな意図で
・どんな姿勢で
・どんな関わり方をするか


これがすべてです。


そして、

👉
「辞めさせたい」と思った瞬間に、すべてが崩れます


■ ご相談ください

もし今、

・この社員をどうすべきか迷っている
・PIPを導入すべきか悩んでいる
・進め方に不安がある

このような状態であれば、

👉 早い段階での整理が重要です


オフィススギヤマでは、

現場に即した形でのPIP設計と運用支援を行っています。


👉 「まだ方向性が決まっていない」
👉 「一度整理したい」

この段階でも問題ありません。


まずはお気軽にご相談ください。

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