「ちゃんとやったのに、もらえない」キャリアアップ助成金で多い“凡ミス”とは?
杉山 晃浩
「キャリアアップ助成金、申請したけどダメでした」
最近、この相談が増えています。
しかも話を聞くと、
・不正をしたわけではない
・ルールを守ったつもり
・しっかり準備したつもり
それでも結果は――
👉 不支給
「なぜ?」と思いますよね。
実はこれ、今の制度では珍しいことではありません。
不正ではないのに“もらえない”時代
まず前提としてお伝えしたいのは、
👉 失敗=不正受給ではない
ということです。
キャリアアップ助成金は
- 正社員化
- 賃上げ
- 処遇改善
などを支援する、非常に意義のある制度です。
ただし同時に
👉 “ルール通りにやったか”が厳密に見られる制度
でもあります。
昔はどうだったか。
・窓口で事前確認
・書類チェック
・不備があれば修正
👉 ダメなものは申請前に止まる仕組み
しかし今は違います。
・電子申請が主流
・形式上は提出できる
・審査は後から
つまり
👉 出せてしまうが、通るとは限らない
そして結果
👉 「やったのにもらえない」
という事態が起きています。
現場で多い“凡ミス”とは
ここからが本題です。
実際に多いミスは、決して難しい話ではありません。
手続きの順番ミス
キャリアアップ助成金は
👉 順番が命
です。
正しい流れは
① 計画提出
② 就業規則整備
③ 正社員化・賃上げ
④ 6か月運用
⑤ 申請
しかし現実は
👉 「先に正社員にしてしまった」
これだけで
👉 アウトです
賃金アップ率の不足
「ちゃんと給料上げました」
よく聞きます。
しかし制度では
👉 3%以上の賃上げが必要
・手当の扱いを間違えた
・計算方法を誤解していた
・結果的に2.8%だった
👉 これもアウト
就業規則の未整備・届出漏れ
これも非常に多いです。
・転換制度が書かれていない
・内容が曖昧
・労基署への届出がされていない
👉 制度として成立していないため
👉 不支給
実態とのズレ
書類は完璧でも
👉 現場が違う
・正社員といいながら実態は同じ
・待遇が変わっていない
・役割も責任も変わっていない
👉 これも否認されます
なぜこんなことが起きるのか
理由はシンプルです。
👉 制度が“わかりにくい”から
キャリアアップ助成金は
・労務管理
・賃金設計
・就業規則
・行政手続き
これらがすべて絡みます。
つまり
👉 “総合力”が必要な制度
なのです。
一番の問題は「なんとなくやること」
ここが一番危ないポイントです。
・ネットで調べた
・知り合いに聞いた
・前にやったことがある
こうした情報をもとに
👉 なんとなく進める
結果
👉 制度とズレる
そして
👉 もらえない
経営者に知ってほしい本質
キャリアアップ助成金は
👉 申請すればもらえる制度ではありません
👉 設計した会社だけがもらえる制度
です。
・誰を対象にするのか
・どのタイミングでやるのか
・どの条件で転換するのか
・どう規則に落とし込むのか
ここを最初に決める必要があります。
「やればもらえる」から「ミスすると終わり」へ
今の制度は
👉 事前チェックが弱くなった分、自己責任が強い
つまり
👉 「間違えたら修正できる」ではなく
👉 「間違えたら終わり」
この認識が非常に重要です。
ではどうすればいいのか
答えはシンプルです。
👉 最初に設計すること
そしてもう一つ。
👉 制度を理解している専門家を使うこと
社労士の役割
キャリアアップ助成金は
👉 “手続き業務”ではありません
👉 “制度設計”です
・賃金の考え方
・就業規則の設計
・助成金の要件
・運用の整合性
これをすべて見て初めて成立します。
最後に
キャリアアップ助成金は
👉 正しく使えば非常に強い制度
です。
しかし
👉 ミスをすると1円ももらえない制度
でもあります。
そしてそのミスは
👉 悪意ではなく
👉 ほんの少しのズレ
これが現実です。
「せっかくやるなら、しっかりもらい切りたい」
そう思うのは当然です。
であれば、
・制度を理解し
・設計を整え
・就業規則をきちんと作る
ここまでやる必要があります。
実務の現場で見ていると、
👉 “制度を理解している会社”と“そうでない会社”で結果は大きく変わります
もし
・これから正社員化を考えている
・助成金を活用したい
・過去にうまくいかなかった
そういった場合は、
👉 一度立ち止まって見直すことをおすすめします。
最終的に、
「どうせやるなら確実に取り切りたい」
そう考える経営者の方は、
👉 顧問としてしっかり体制を整え、就業規則から見直しておこう
そういう判断になっていきます。
当事務所では、
・通すためだけの申請ではなく
・制度を活かす設計と運用
を重視しています。
👉 “ちゃんとやって、ちゃんともらう”
そのための体制づくりからサポートしていますので、
気になる方はご相談ください。