その運行、実は違法かもしれません トラック運送会社が知らないと危ない「改善基準」とは?
杉山 晃浩
運送業の会社で、こんな会話を聞くことがあります。
「うちは昔からこの働き方だから問題ない」
「忙しい時は仕方ないよね」
「ドライバーも納得してるし大丈夫でしょ」
もしこの中に1つでも当てはまるなら、少し注意が必要です。
なぜなら今、運送業は
「知らなかった」では済まされない時代に入っているからです。
■ 改善基準って何ですか?
まず最初に、今回のテーマである
「改善基準」について説明します。
これは正式には、
👉 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」
という長い名前のルールです。
トラックドライバーの働き方について、
細かく決められています。
■ なぜこんなルールがあるのか?
理由はシンプルです。
👉 事故を防ぐためです。
運送業は、
- 長時間労働になりやすい
- 睡眠不足になりやすい
- 判断力が落ちやすい
という特徴があります。
そして、その先にあるのが
👉 重大事故
です。
■ 実は「普通の会社」とルールが違う
ここが非常に重要なポイントです。
多くの事務員さんは、
「労働時間=8時間、残業あり」
という感覚を持っています。
これは間違いではありません。
ただし、運送業ではそれだけでは足りません。
運送業には、通常の法律とは別に
- 拘束時間
- 休息期間
- 運転時間
といった
独自のルールがあります。
■ 「拘束時間」という考え方がカギ
たとえば、こんなケースです。
- 朝8時に出勤
- 夜21時に帰社
この場合、
「13時間働いた」と考えがちですが、
実は違います。
👉 正しくは
13時間すべてが“拘束時間”
になります。
しかもこの中には
- 運転していない時間
- 荷待ちの時間
- 休憩時間
も含まれます。
つまり、
👉 「会社に縛られている時間」すべてが対象
です。
■ ここを間違える会社が多い
実務でよくあるミスです。
- 運転時間だけ見ている
- 勤怠表だけで判断している
- 待機時間を軽く考えている
これ、全部危険です。
なぜなら、
👉 監督署は“拘束時間”で見てくるからです。
■ 違反するとどうなるのか?
では、このルールを守らなかった場合どうなるのか。
結論から言うと、
👉 会社が責任を負います。
具体的には
- 労働基準監督署からの是正指導
- 書類送検
- 行政処分(事業停止など)
- 事故が起きた場合の責任増大
といったリスクがあります。
特に怖いのは、
👉 事故とセットで問題になること
です。
■ 「知らなかった」は通用しない
ここははっきりお伝えします。
👉 知らなかったでは済みません。
なぜなら、
- 国がルールを明確に出している
- 業界全体に周知されている
- 2024年からさらに厳しくなった
という背景があるからです。
■ では誰が管理するのか?
ここが今回一番伝えたいポイントです。
👉 事務員さんの役割です。
現場のドライバーは
- 忙しい
- 法律まで細かく見ない
- 感覚で働いている
ことが多いです。
だからこそ、
👉 会社を守るのは事務側の管理
になります。
■ 事務員さんに求められること
難しいことは必要ありません。
まずはこの3つでOKです。
① ルールを知る
② 数字をチェックする
③ おかしいところに気づく
この3つができるだけで、
👉 会社のリスクは大きく下がります。
■ このシリーズでお伝えすること
今回から始まるこのシリーズでは、
- 拘束時間とは何か
- 上限はどこまでか
- 休ませないとどうなるか
- よくある間違い
を、できるだけやさしく解説していきます。
■ 次回予告
次回は一番大事なテーマです。
👉 「拘束時間」って何?
ここを理解しないと、
- 勤怠管理
- シフト作成
- 給与計算
すべてがズレます。
正直に言うと、
👉 ここを間違えている会社はかなり多いです。
次回は
👉 「誰でもわかる形」で
👉 「現場で使えるレベル」で
解説していきます。
■ まとめ
今回のポイントを整理します。
- 運送業には特別なルールがある
- 「拘束時間」という考え方が重要
- 違反すると会社が責任を負う
- 管理するのは事務員の役割
このシリーズを読み終わる頃には、
👉 「なんとなく管理している状態」から
👉「ちゃんと管理できる状態」へ
変わることを目指します。