2026年6月22日 / 最終更新日 : 2026年5月14日 杉山 晃浩 社労士事務所経営者杉山からの提言 突然の労基署調査、その時どうする? 中小企業が知っておくべき“臨検監督”の基本 杉山 晃浩 「労基署から連絡がありまして…」 その一本の電話で、空気が変わる会社は少なくありません。 経営者が青ざめ、総務担当者が慌てて資料を探し始める。 そんな場面は、実際によくあります。 しかし、労働基準監督署の調査、いわゆる「臨検監督」は、特別な“悪い会社”だけに行われるものではありません。 むしろ最近は、 人手不足 長時間労働 退職トラブル メンタル不調 ハラスメント 労災事故 などが増えている影響もあり、普通の中小企業にも調査が入る時代になっています。 そして怖いのは、経営者に“悪気がない”ケースです。 「昔からこうしている」 「みんな頑張ってくれている」 「うちは家族的な会社だから」 そう思っていた会社が、調査で問題を指摘されることは珍しくありません。 今回は、中小企業の経営者や人事担当者向けに、「臨検監督」の基本をわかりやすく整理してみます。 そもそも“臨検監督”とは何なのか? 臨検監督とは、労働基準監督署による立入調査のことです。 労働基準監督官には、会社へ立ち入り、 書類確認 聴き取り 現場確認 などを行う権限があります。 確認される主な法律は、 労働基準法 労働安全衛生法 最低賃金法 労災保険法 などです。 つまり、 長時間労働になっていないか 残業代が適切に支払われているか 安全配慮がされているか 有給休暇を適切に管理しているか などを確認する調査です。 「違法会社を摘発する」というイメージを持たれがちですが、本来は“労働環境を整えるため”の行政指導でもあります。 なぜ自社に調査が入るのか? 「うちは小さい会社だから大丈夫」 と思っている経営者は少なくありません。 しかし、実際には中小企業への調査もかなり増えています。 特に多いきっかけは次のようなものです。 従業員・退職者からの申告 非常に多いパターンです。 最近は、 タイムカード LINE 勤怠アプリ シフト表 録音データ などをスマホで保存している人も増えています。 退職後に申告されるケースも珍しくありません。 労災事故 転倒や熱中症などでも調査につながることがあります。 特に、 建設業 運送業 介護 飲食業 などは注意が必要です。 長時間労働 36協定や各種データから、長時間労働の可能性がある会社が確認されることもあります。 定期監督 地域や業種ごとに、計画的に実施される調査です。 つまり、「何か通報された会社だけ」が対象ではありません。 労基署は会社のどこを見ているのか? ここは非常に重要です。 臨検監督では、細かい部分まで確認されますが、特に中小企業で問題になりやすいのは次の4つです。 労働時間 最も重要と言ってもよい項目です。 例えば、 タイムカード 勤怠システム 出勤簿 などを確認されます。 最近は、PCログや入退室記録なども確認されるケースがあります。 「タイムカードは18時なのに、実際は21時まで働いていた」 となれば、サービス残業問題に発展する可能性があります。 36協定 残業をさせるなら、36協定は必須です。 しかし実際には、 更新漏れ 届出漏れ 過半数代表者の選出ミス などが少なくありません。 36協定が適切でない場合、残業そのものが違法になる可能性もあります。 就業規則 常時10人以上の会社では、就業規則の届出義務があります。 ただし、「あるだけ」では不十分です。 実態とズレていると問題になります。 法改正に対応できていないケースもよくあります。 年次有給休暇 年5日の取得義務が始まって以降、有給管理はかなり重要視されています。 年休管理簿 取得状況 管理方法 などを確認されることがあります。 是正勧告が出ると会社はどうなるのか? 調査後、問題が見つかると「是正勧告書」が交付されることがあります。 これは、 「この部分を改善してください」 という行政指導です。 そして、会社は改善報告書を提出することになります。 問題は、ここからです。 例えば、 未払残業代問題 従業員との関係悪化 管理職の疲弊 助成金への影響 など、単なる“書類対応”で終わらないケースが多いのです。 経営者の時間も奪われます。 現場も混乱します。 つまり、臨検監督は“経営問題”になり得るのです。 本当に怖いのは“調査”ではない 実は、本当に怖いのは労基署そのものではありません。 怖いのは、 「会社の実態が整理されていないこと」 です。 例えば、 現場ルールが曖昧 勤怠管理がバラバラ 管理職任せ 法改正に未対応 こうした状態だと、調査時に問題が一気に表面化します。 逆に言えば、 就業規則 勤怠管理 36協定 有給管理 などが整理されている会社は、調査が入っても比較的落ち着いて対応できます。 法を守る会社ほど、実は経営が安定する 「労務管理」というと、 面倒 コスト 守り というイメージを持つ経営者もいます。 しかし実際には逆です。 労務管理が整うことで、 トラブル予防 離職防止 管理職教育 業務整理 経営の見える化 につながります。 つまり、法令遵守は“経営を弱くするもの”ではなく、“会社を強くする仕組み”でもあるのです。 無料プレゼント 「労基署調査 事前確認チェックシート」 「うちは大丈夫だろうか?」 そう感じた経営者・人事担当者向けに、 【労基署調査 事前確認チェックシート】 をご用意しました。 36協定 就業規則 労働時間 有給管理 安全衛生 などをセルフチェックできる内容です。 プルダウン形式で確認できるので、社内点検にも使いやすくなっています。 お申込みフォームはこちらです。 労基署調査 事前確認チェックシート申込フォーム お申し込み後、ダウンロードURLが届きます。 最後に 労基署調査は、決して“他人事”ではありません。 そして今後は、 「なんとなく運営している会社」 と、 「ルールと実態を整えている会社」 の差が、ますます大きくなる時代だと思います。 もし、 就業規則 36協定 労働時間管理 有給管理 労務リスク などに不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。 私たち社労士は、「問題が起きてから対応する」のではなく、“問題が起きにくい会社づくり”を支援する存在でもあります。 お問い合わせフォーム労務相談、助成金相談などお気軽にご相談ください。 お問い合わせはこちら