役員報酬を上げても会社も社長も豊かにならない理由 ―“課税ルート”に乗せている限り、お金は残らない
杉山 晃浩
「売上は上がっているのに、なぜかお金が残らない」
これは、私が経営者の方からよく聞く言葉です。
決算書を見ると利益は出ている。銀行口座にもある程度のお金はある。
それでも、「豊かになっている実感がない」と感じている社長は少なくありません。
その原因はシンプルです。
お金の流し方を間違えているからです。
お金は増えているのに、なぜ残らないのか
会社の利益が出ると、多くの経営者はこう考えます。
「役員報酬を上げよう」
確かに、法人税は抑えられますし、個人の収入も増えます。
一見、合理的な判断に見えます。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
役員報酬を上げた瞬間に、
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料
これらが一気にかかってきます。
つまり、増やした分のかなりの割合が“先に持っていかれる”構造になっているのです。
多くの社長がやっている“間違った対策”
では、役員報酬以外の方法はどうでしょうか。
「節税のために保険を活用する」
これも昔からある王道の手法です。
ただし、ここも現実を見なければなりません。
かつてのような
“全額損金で落とせる保険商品”は、現在ほとんど存在しません。
制度改正により、保険を使った節税はかなり制限されています。
つまり、
- 役員報酬 → 税金・社保で削られる
- 保険 → 思ったほど節税にならない
という状況です。
それにも関わらず、多くの会社がこの2つに頼り続けています。
問題の本質は「課税ルート」にある
ここで一度、冷静に整理してみましょう。
今までの方法はすべて、
👉 「税金や社会保険料がかかるルート」でお金を動かしている
という共通点があります。
だからこそ、どれだけ工夫しても限界があります。
極端に言えば、
課税される前提で戦っている限り、勝てないゲームをしているのです。
発想を変える:「課税される前」に動かせ
では、どうすればいいのか。
答えはシンプルです。
👉 税金や社会保険料がかかる“前”に、お金を動かす
これだけです。
キーワードは2つです。
- 非課税
- 社会保険料の対象外
この2つを満たすルートを使えるかどうかで、
経営者の手元に残るお金は大きく変わります。
個人努力ではなく「仕組み」で考える
ここで重要なのは、「頑張り方」ではありません。
- 節約する
- 投資を勉強する
- 副収入を増やす
これらも大切ですが、本質ではありません。
本当に差がつくのは、
👉 どのルートでお金を動かしているか
です。
つまり、個人の努力ではなく、
会社としての“仕組み”の問題なのです。
経営者に必要なのは「お金の設計図」
多くの会社には、
- 就業規則
- 賃金規程
- 労務ルール
といった“人を管理する仕組み”はあります。
しかし、
👉 「お金をどう残すか」の設計図を持っている会社は、ほとんどありません。
だから、
- 稼いでも残らない
- 節税しているつもりでも増えない
という状態に陥ります。
これからの経営は「ルート設計」で決まる
これからの時代は、
- 税金は下がらない
- 社会保険料は上がる
- インフレは進む
こうした環境の中で、
👉 「どのルートを選ぶか」=経営力
になっていきます。
役員報酬を上げるかどうかではなく、
**そもそもそのルートでいいのか?**が問われているのです。
次回予告
では、
- 非課税
- 社会保険料対象外
- しかも合法
そんなルートは本当に存在するのでしょうか。
答えは「あります」。
そして、それを仕組みとして活用できるのが
**企業型確定拠出年金(企業型DC)**です。
次回は、
👉 「iDeCoでは勝てない理由」
―社長が“投資効率”で損している構造とは
について、わかりやすく解説します。
もしここまで読んで、
「うちの会社は大丈夫だろうか?」
と少しでも感じた方は、
今の“お金の流れ”を一度見直してみてください。
気づいた人から、確実に変わり始めます。